黒執事#19「その執事、入牢」

シエルの代わりにセバスが拷問を受けるようですよ!しかも拷問部屋で。なんてこと!なんてこと!!セバスチャンが拷問を受ける様子が次回見られるの!?ドSっぷりもここまでくるとアッパレですな♪セバスのうめき声が聞けるのかしら?きゃー!!!!BLCDで聞いたような小野大輔のああいう声が聞けるってことですね。・・・ということで、ラストに全部持っていかれて他のパートは吹き飛びました(苦笑)何だかとっても腐れ思考を刺激されました。セバシエが読みたいので、裏を回ることにしましょう。といいつつ、自作をひとつこちらに書いてみた。


いつの間にか眠っていたようだ・・・手元にある本は閉じられ、どこまで読みすすめたか思い出せない。
視線を窓へ寄せれば、カーテン越しに見える月は丸く空高くにある。
このまま眠ってしまおうと決めベッドにもぐりこむ。
眼帯も外さず、服も着替えず。
いつもならセバスチャンが面倒を見てくれるはずなのだが、今夜はどうしたというのだろう。
夕食後からずっとセバスチャンの気配がない。
「まぁ、いい。煩い奴がいないのも気楽なものだ」

シーツに頭からくるまり、意識が遠のき眠りが深く始めた頃、ベッドのきしむ音に意識が呼び戻された。
・・・誰だ?
目を開くが暗い部屋の中、月明かりを頼りにしてもその気配を確認することは出来ない。
・・・セバスチャン?
いや、かすかに匂うこの香りは男物の香水。皮の香り?この香りに心当たりはない。
ベッドの足元にその香りの主はいる。
何者だ。
枕元に忍ばせてある拳銃に手を伸ばそうと右手を動かした途端、その手を上から掴まれた。
「誰だ!」
「・・・」
何も答えはなかった。
がばっと上から覆いかぶさられたようになり、シーツごと上から押さえられ身動きが取れなくなっていた。
視界は遮られ、身動きも取れない。わかるのは音と香りだけ。
男物の香水が感覚を麻痺させる。あの1ヶ月を思い出させる。
そうだ・・・これから起ころうとしていることは、そうなんだろう。
セバスチャンに抱かれていても思い出すこともなかった、過去の辱めの数々。
快感などなく、ただただ苦痛を強いられるあの行為を思い出す。
・・・仕方ない、反撃のタイミングをうかがうまでだ。
そう決めて相手の動きを伺うことにした。

しゅるしゅると布の擦れる音が聞こえる。
ネクタイを外す音なのだろうか?
音を聞きながらぼんやりと思っていると、その布が目元に当てられた。
眼帯の上から両目にかかるようにその布はあてられた。
・・・そうか、顔を見られたら困るってわけか。
目元を覆われたのと同時にシーツは顔から外された。息苦しさからは開放されたが、香水の香りが一層強くなる。
やはりこの香りには覚えがない。
一体誰だというのだ。
そう思っているところに、シャツのボタンが外されていく。
肌が空気に触れて、寒さに震えた。
・・・ああ、、誰でも同じようなことをするものなのだな・・・次は舐めるか噛み付くか、お前はどっちだ?
そういえば、セバスチャンは目を細めてそれはそれはいとおしそうに眺めてから指先で触れて唇を寄せていたな、とシエルはセバスチャンを思い出していた。

「ぁ・・・・っ・・ん・・・」
爪で軽く胸元を引っかかれる。予想外のことに思わず声が漏れた。
「誰だ・・・っ・・・んんっ・・・ぁ」
身体をよじった拍子に相手の硬くなったものが腰に当たった。
ダメだ、声なんか出したら男を喜ばせるだけだ。
これから抱かれるのか・・・セバス以外の男に
そう思った途端に、頭で考えるよりも早く声が出ていた。
「やめろっ・・・嫌だ」
じたばたと身体をよじってみるが、その男の力には敵わない。
下半身に手が伸び、自身を掴まれた。
「んっ・・やっ」
抵抗してみせるが、感じてしまっている。
それがわかったからか、男が笑った気配がした。
そろそろと後ろへ手を伸ばされたことが判った途端、硬くなった男のものがあてがわれた。
「嫌だ・・・と・・・言って・・・いる」
たいしてほぐされていない状態にも関わらず少しずつだが男のものが挿入されていく。
全てが入りきったところで、痛みが強くなる。
「痛い・・・抜いてくれ」
そういっても、男は止めようとはしなかった。
それどころか前後に律動しはじめた。
「うわ・・ぁっ・・・ダメ・・いやぁ・・・」
痛みが痛みで無くなり、男から与えられる快感に飲まれないように必死に抵抗を続ける。
「あぁ・・・んっ・・やめ・・ろ・・・っ・・・んんっ」
せめて最期の砦くらいは守りたいと思ってしまった。
そう、セバスチャン以外の男ではイかない、ということ。

セバスチャン、僕を助けろ。
お前は今何をしている?
早く助けに来い。
「あ・・・いやっ・・・だめだ・・・んっ」
相手の手の動きに反応し、息が上がり始める。
こんな男の手で登りつめることはしたくない。
「やっ・・・だめっ・・」
言葉では抵抗を示すが、身体は言うことを聞かない。
男の手に翻弄され快感に喜んでしまう。
違う。
セバスチャンがイイのに。
誰だかもわからない男の手に好き勝手されて喜んでいる自分が許せない。
早くここから逃げ出したい。
「僕をここから助けろ・・・セバスチャン・・・僕はここだ」
そうは言ってみるが、肝心の瞳は布で覆われている。
もうだめか。この男が満足するまで最期まで付き合うしかないのかと
諦めかけたその瞬間。

「坊ちゃん?」
男の手が止まり、すぐ傍で声が聞こえた。セバスチャンの声だ。
目隠しと眼帯を外され、視界が明るくなる。
ベッドの上にはシエルとセバスチャンの二人。
「坊ちゃん、ひょっとしたら・・・私だとお気づきになられなかったですか?」
「・・・セバスチャン?」
今までの行為の手は全てセバスチャンだったというのか。
あの香り、それにいつものセバスチャンとは別の触れ方をしてきていた。
同じように抱いてきたらお前だとわかる、でも違った。
あれはお前じゃない。
「どうりで。今日の坊ちゃんは頑なまでに抵抗していて不思議に思っておりましたから」
そうでしたか、あなたはそこまで私のことを。と喜んでいるセバスチャン。
「いつもとは違うやり方をしたくなりまして。視覚が閉ざされると他の感覚が鋭くなります。
あなたは視界を遮られることを嫌がりますが、それも一興だったでしょう?」
そう言いながら頬を撫でてくる。
「抵抗したということは、私以外の手ではイきたくない、ということですよね」
可愛い人だと言葉を付け加えて、キスをせがんでくる。
「香水の男だ。あれはお前の香りじゃない。」
顔を背けセバスチャンからのキスを避けた。
「これ、のことですか?」
正面から両手できつく抱きしめられるとあの香水の香りがセバスチャンの全身から香っていることに気が付いた。
「これは、以前、坊ちゃんが好きだと言っていた香りですよ。私に似合いそうだとおっしゃっていましたね。
夕食後、外出した出先で纏ってきた香りですよ。坊ちゃんの為に。この香水のおかげであなたのイイ反応がみられた。
違う男の手を感じながらも私を思い出して、ああいう反応をしていたのでしょう?可愛いですね。
さぁ、もっと坊ちゃんを可愛がらせてください。」
セバスチャンに抱きしめられたまま、大人しくしていると。
セバスチャンの手が意思を思って触れてくる。
まずい。
このままでは、いつものようにセバスチャンに翻弄される。
セバスチャンが外出先で何をしてきたのか気になったが、それどころじゃない。
翻弄されて、流されて抱かれて終わってしまうのだろう。
・・・悔しい
そう思った。
たまには違うことをやってみるのも悪くないかもしれない。
「これ以上恥ずかしいことばかり言ってると、殺すぞ」
枕もとの拳銃に手を伸ばそうとセバスから離れベッドの上を移動するが、
ネコのように首根っこをつかまれセバスチャンの腕の中へ引き戻される。
「まるでネコですね、あなたは。この滑らかな肌理の細かい肌、艶やかな黒髪、そして、そのブルーの瞳、全てに惹かれている。
だから、あなたは私のものです。」
恥ずかしげもなく言うセバスチャンに心が揺さぶられる。
そして何度も確信してきたことがある。
「ああ・・・セバスチャン・・・そうだ・・・」
「ええ、あなたは私のもの」
押し倒され身体中にキスを受けながら、意識が快感に飲み込まれていく。
セバスチャンの唇が触れた肌が熱を帯びている。
「もう・・・むり・・・っ・・・ぁ・・・ん」
「坊ちゃん、可愛いですよ」
甘い言葉を次々と投げかけてくるセバスチャンに、反応してしまう。
「ぁ・・・ん・・・いい・・・っ」
「あなたを抱いているのは私ですよ。後にも先にも、私だけなのですから、あなたはただ私が与える快感に溺れていればいい」
深くまで突き入れてくるセバスチャンに答えることもできないシエルは、
必死にセバスチャンにしがみつき快感をやり過ごすことしか出来なかった。

「そうだ、セバスチャン・・・命令だ」